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STEAMで環境問題を解剖: 公害の歴史と未来への探求~最近のニューストピックから~

 最近、環境省が、関連する市民対話で不適切な対応をしたと報じられました。この出来事は筆者にとって、公害問題に対する国の姿勢という問題が投げかけられたと理解しました。では、私たちはこの事態から、何を学び、子どもたちに何を教えるべきでしょうか?
 ※ということで、今回はニューストピックからの特別論考偏です。少々長いですが、お付き合いいただければ嬉しいです※

公害問題・・・

 我が国経済の発展、特に重化学工業が急速に発展するなかで公害問題は生まれました。イタイイタイ病、水俣病、新潟水俣病、四日市ぜんそくは、「四代公害病」と呼ばれ、環境汚染がどれほど人間の生活に深刻な影響を与えるかを示す典型例として、現代の我々に重要な教訓を提供しています。ここで、公害問題が単なる過去の話ではなく、現在進行形であるという事実の認識が大事です。

公害問題から環境問題へ・・・

 つまり、公害問題は環境問題にその形を変え現代に引き続いています。環境問題は、被加害の区別が不明確でより複雑なグローバルな問題という特徴がありますが、そこに暮らす人々の人権を侵害し健康で文化的な生活を送る権利を奪っていることは今なお共通しています。そして、この事実を教育にどう生かすかが“STEAM教育”、“ESD(持続可能な開発のための教育)”の役割として重要です。

STEAM教育の可能性・・・

 例えば、STEAM教育は、科学、技術、工学、人文科学、数学の各分野を統合し、子どもたちの問題発見力、課題設定・解決能力を養います。例えば、次のようなアクティビティ体験は、抽象的な物事を具体的な事物として子どもたちの目の前に再現することができるので、理解が進み、その理解は感情として心に訴えるものになると考えています。それは、地域の公害問題の歴史、これからの環境問題対応を学び行動に移す活動につながるのではないでしょうか。

  • 科学探究: 海流や水の循環のメカニズム、水質の実験体験
  • 技術的アプローチ: 情報収集や公害データの共有のためのICT を活用
  • 工学的課題: クリーンテクノロジーのものづくり体験
  • 人文科学で検証・表現: 歴史的事実の調査調、アートプロジェクトでの環境問題対応
  • 数学的分析: 公害による健康被害の統計データ解析、数値を通じた問題の理解 等々
大人の働きかけ・・・

 加えて、保護者としてご家庭でできることがあります。冒頭のようなニュースについて子どもと共に行う多角的な考察、地元の自然体験や伝統文化体験会への参加です。これらは、子どもたちの多角的視野の涵養、地域愛着や地域文化と住民尊重の気持ちを育むことになり、人を愛し被害者の出ない持続可能な地域を創る参画意識を育むことになると思うのです。

まとめ・・・

 私たちは、歴史的公害問題を踏まえ、進行中の環境問題に光を当て、STEAM教育を活用した活動を提供したいと思っています。子どもたちがこうした体験をすることは、彼らが持続可能な社会の創り手となるための重要な一歩となります。私たち大人が、個人の小さな取り組みの集まりが、大きな社会的変化を生む可能性となることを、子どもたちに伝えていけたらと思います。



★ご案内★

5月25日、26日開催「春のキッズフェスタ2024」で「”水の惑星”を体験しよう~海流の不思議実験~」(@オリセン)を出展します。参加費無料。ぜひご来場ください!!

★ご参考★

・公害問題、環境問題、ESD、SDGsなどについてもっと詳しく知りたい方はこちら「環境教育、ESDの歴史的変遷と定義」をご参照ください。

・「持続可能な社会の創り手」については文科省公式サイトをご覧ください。

・私たちの調査からは、「社会を自分の力で変えられると思う」青少年は34.5%しかいないという事実が!→詳しく(青少年の体験活動等に関する意識調査(令和4年度調査)p.55) ・そのほか、青少年に関する調査研究結果を「資料ダウンロード」ページで公開しています。


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